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東芝音工アップルレーベルの黒い内袋について [ビートルズ関連@音源]

昨年のことになりますが、某オークションサイトでビートルズ関連の国内盤シングル百数十枚のアソートを落札しました。出品者ノーチェック、ジャンク扱いなリサイクル関係業者さんからのセット出品だったのですが、何枚かに分けた集合写真で良心的にジャケをすべて見せてくれている中に気になるブツを発見。

知っている人には超レアだけれど知らなければ気づかないような重箱の隅アイテムで、出品者の客寄せトラップ(落札時にはシレッと通常品を送ってくる)も疑ったのですが、とりあえず入札。他に気づいた方も何人かいたようで、その手の出品としては幾分高めなビット=そのアイテム単品で出ていたらとてもその価格では無理、というラインで落札出来、送られてきたダンボール箱中にしっかり写真通りのブツも入っていて、めでたしめでたしという顛末。

もちろん、お目当てアイテム以外のブツはすでに持っているものばかりで、オデオン盤330円ものから「ウーマン」「セイ・セイ・セイ」くらいまで、説明通り全体的に埃っぽく、ヨレヨレのビニール袋には日本各地のローカルなレコード店名が入っていたり、たまに赤盤あったりと、本当にノーチェックでの放出だったみたい。
そしてもちろんダブリだらけ。おそらく「ビートルズ」というくくりだけで業者さんが機械的に分けたのでしょう、「レット・イット・ビー」は400円ステレオからEMI表記、77年の再発まで20枚以上、「イエスタデイ」「アナザー・デイ」「マイ・スウイート・ロード」なども各10枚以上という感じで、入手時に一応定価や赤盤とかチェックして以来、送られてきたダンボール箱にしまいっぱなし状態でした。

で先日、状態のいいものくらいはビニール袋取り替えておこっか、と引っ張り出したときにみつけてしまいました。

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日本でアップルレーベルから最初のシングル盤がリリースされたのは1968年12月5日、メリー・ホプキンの「悲しき天使」(AR-2160)でした。この曲は日本でも大ヒットしたので今でも中古屋さんで頻繁にみつけられるインフレ盤です。

このタイトルのレコード盤を収めるアップルロゴ付き黒い中袋(カンパニー・スリーブ)がリリース初期と思われる盤では「両面穴あき」である、ということに気づいておられる方は多いでしょうが、そこにこだわって言及される方はあまりいないみたい。

わたくしも、アップルアーティストの、たとえばジ・アイビーズ「メイビー・トゥモロウ」(AR-2198 69年3月10日リリース)を入手したとき、「両面穴あき」中袋に収められていて、ああ、アップル出たての頃はこっちの中袋だったんだなー、くらいにしか思っていませんでした。

で、今回送られてきたシングル盤群を吟味中、東芝アップルレーベルからは初のビートルズ名義シングル盤リリース「オブ・ラ・ディ・オブ・ラ・ダ」(AR-2207 69年3月10日)、つづく「ゲット・バック」(AR-2279  69年6月1日)、「ジョンとヨーコのバラード」(AR-2301 69年7月10日)の3タイトルが「両面穴あき」中袋姿でご丁寧にも三タイトルとも二枚ダブリで含まれていたのでした。

それまでビートルズのリリースで「両面穴あき」中袋に遭遇したことが無い、と言うか気にしたことがなかったので、この一件はショーゲキ的でした。

ここで整理しておくと、これが日本盤「両面穴あき」中袋
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スキャン背景も白なので実感しにくい方用にビートルズの「オブ・ラ・ディ・オブ・ラ・ダ」のジャケをかませます。
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これは英国盤のレギュラースリーブ
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こっちは米国盤
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こちらは日本盤アップルシングルで最も一般的な「片面穴あき」中袋
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というわけで、英米では、と言うか世界的にシングル盤収納袋(いわゆるカンパニー・スリーブ)は「両面穴あき」が主流のようです。袋状に組み立てた後、一気にスポーンと丸型を抜けばいいのですから正しく合理的です。
一方日本では、大切なレコード盤を収納する袋、という「ちゃんと保護するための袋」概念が強いのか、ビートルズ以前からどのメーカーも「片面穴あき」中袋が主流でした。
こちらはおそらく、袋状に組み立てる前に片側の穴をあけておき、型紙状から袋状に組み立てる、という工程でしょう。そちらがポピュラーだったということは、その作業システムのラインがレコード製造流通業界で全面的に普及していたということですから、「両面穴あき」は却ってイレギュラーで手間がかかったのかもしれません。
発売当初の「両面穴あき」中袋は、東芝アップルもとりあえず英米アップルのパッケージングに倣っていた、と考えるのが妥当かと思います。

「悲しき天使」以来「ジョンとヨーコのバラード」まで、東芝音工からアップルレーベルでリリースされたアップルアーティストのシングル盤は

AR-2160 悲しき天使 by メリー・ホプキン 68/12/5
AR-2168 サワー・ミルク・シー by ジャッキー・ロマックス 69/2/1
AR-2169 イエロー・サブマリン by ザ・ブラック・ダイク・ミルス・バンド 69/2/1
AR-2198 メイビー・トゥモロウ by ジ・アイビーズ 69/3/10
AR-2207 オブ・ラ・ディ・オブ・ラ・ダ by ザ・ビートルズ 69/3/10
AR-2231 ひとりぼっちの道 by トラッシュ 69/4/1
AR-2254 想い出のキャロライナ by ジェームス・テーラー 69/5/1
AR-2255 グッドバイ by メリー・ホプキン 69/4/1
AR-2279 ゲット・バック by ザ・ビートルズ 69/6/1
AR-2301 ジョンとヨーコのバラード by ザ・ビートルズ 69/7/10

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ということで、急遽手持ちの日本盤アップルシングルに当たってみたところ、「サワー・ミルク・シー」「イエロー・サブマリン」「メイビー・トゥモロウ」「グッドバイ」は「両面穴あき」中袋。「グッドバイ」は1stカバーはもちろん、2ndカバーでも一枚「両面穴あき」がありました。
手持ちの「ひとりぼっちの道」は「片面穴あき」、「想い出のキャロライナ」は見本盤なのでRUSH袋なのですが、以前所有していたレギュラー盤が「両面穴あき」だったような記憶がうっすらあります。

もちろん、以前の所有者や中古盤業者が入れ替えてしまったりが一番起こりやすいのが中袋ですから断言は出来ないのですが、どうやら69年7月頃までのリリース初盤は「両面穴あき」だったのではないか、くらいは推測出来そうです。
最初に用意した何万枚か(50万枚くらい?)の「両面穴あき」を約半年強で使い切り、その後はレギュラーなライン工程の「片面穴あき」で統一された、と。

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となると知りたいのは、それ以降どこまで?ということ。
今のところ一番末期と思われる「ジョンとヨーコのバラード」には、二つ折りジャケの裏表紙、いわゆる表4に「アップル・ヒット・レコード選」と題した一覧が載っています。当該タイトルを含み、ここに載せられたタイトルまで、初盤は「両面穴あき」だったのではないか、とも考えられます。
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ただし、この一覧にはオデオン時代の68年9月14日にリリースされた「ヘイ・ジュード」(OR-2121)が逸早くアップル番号に変更(AR-2121)されて載っているのですが、わたくしがもっとも参考にさせていただいているサイト「ザ・ビートルズ完全日本盤レコード・ガイド」様によると「ヘイ・ジュード」のAR盤プレスは69年の10月からのようなので、この一枚は告知先走りかな、とも思います。

で、以降のリリース

AR-2305 ニュー・デイ by ジャッキー・ロマックス 69/8/1
AR-2324 平和を我等に by プラスティック・オノ・バンド 69/7/21
AR-2329 神の掟 by ビリー・プレストン 69/9/1
AR-2354 いとしのアンジー by ジ・アイビーズ 69/10/1

これらのわたくし所有のものはすべて「片面穴あき」でした。ただ、発売日が20日後の「ニュー・デイ」やレコード番号は後ながら「ジョンとヨーコのバラード」と発売時期が一番近いジョンの「平和を我等に」あたりには「両面穴あき」があるかも、みたいな気もしています。

ただし、大事なことなので二回言いますが、中袋は後からの差し替えが容易ですから、ジョンの「平和を我等に」や「ヘイ・ジュード(AR-2121)」出品で「両面穴あき」中袋のレア度を強調するような出品者さんがいても、くれぐれも安易に乗っからないようお気をつけください。

と、暇に任せて忘れないうちに書きました。次回からはリング・オー・レコードに戻ります。

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広川太一郎氏逝去… [ビートルズ関連@音源]

先ほどぼーっと夕刊を眺めていたら、声優の広川太一郎氏が今月3日に亡くなられていたという記事をみつけてしまいました。

広川氏と言えば、数々の名作映画の名優の吹き替えやアニメの有名キャラ担当で世間一般的に超有名な方ですが、わたくし的には、1970年代に民放TVで放映されたビートルズの主演映画「ビートルズがやってくるヤア!ヤア!ヤア!」と「ヘルプ!4人はアイドル」で、ジョン・レノン役を「ジョンが日本語で喋ってたらこーだろーな」と思う位軽妙に、かつウイットに富んだ言い回しで吹き替えてらしたことと、英国産コメディ番組の金字塔「空飛ぶモンティ・パイソン」シリーズでのエリック・アイドル役、その流れのラトルズ=「オール・ユー・ニード・イズ・キャッシュ~金こそすべて(四人もアイドル)」におけるナレーター&ダーク・マックィックリー役の吹き替えで、ビーヲタ的重要度ナンバー1の声優さんでした。

68歳って、まだまだ早すぎです…書かずにはいられなかったので取り急ぎ、謹んで心からご冥福をお祈りします…合掌…

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"Those Were The Days" by CYNTHIA LENNON [ビートルズ関連@音源]

THOSE WERE THE DAYS / WALKING IN THE RAIN CYNTHIA LENNON

dice MUSIC LIMITED / 1995 / C7 DIM 002 / Made in the E.E.C.

故ジョン・レノンの前妻シンシアさんが1995年にリリースした2曲入りマキシ・シングルです。"Those Were The Days"は言わずと知れたビートルズ設立のアップル・レーベルからポールのプロデュースでデビューしたメリー・ホプキン(Mary Hopkin)の大ヒット曲。邦題は「悲しき天使」。

歌うのが本職ではない人のレコーディングに使われる常套手段=ヴォーカルの多重録音が全編かなり露骨に施されていますが、当時55歳のシンシアさんの歌声はなかなか力強く音程もしっかりしています。アレンジは完全にメリー・ホプキン・バージョンを踏襲していますが、最初の「ララララーララ」の部分と4コーラス目を全部カットしてあるので約4分と本家にくらべて短めになっています。2曲目の"Walking in the Rain"はミディアム・テンポのゆったりした曲で、ここでのシンシアさんの歌声が時々、まじめに歌っている時のオノ・ヨーコさんの声質にそっくりな時があってドキッとしました。

このCDのプロデュース、アレンジと2曲目の作詞/作曲/一部ヴォーカルも担当したクリス・ノーマン(Chris Norman)は、70年代中頃にスモーキー(Smokie)というポップ・バンドのヴォーカルとして数々のヒット曲を世に送り出したイギリス人。日本でも「アリスは恋人 "Living Next Door to Alice"」なんてのがそこそこヒットしてました。バンドとは別名義で1978年にスージー・クアトロ(Suzi Quatro)嬢とのデュエットでヒットした「メロウなふたり "Stumbling In"」の方が覚えてる人が多いかも。彼のオフィシャル・ホーム・ページ 'Official Chris Norman Fanclub' によると、現在でもコンスタントにアルバムをリリースして精力的に音楽活動しているようです。本題とは関係ないのですが、このページのバイオグラフィを見てたらハリー・ベラフォンテの娘さんのシャーリー・ベラフォンテさんとのデュエットなんていう仕事もありました。有名人の親族関係に強いのか?クリスとシンシアさんはグレート・ブリテン島とアイルランドの間にあるアイリッシュ海に浮かぶマン島に住んでいて、ご近所さんだったところからこのCDの企画が生まれ、クリス自身のレーベル'Dice' からリリースされました。

ジョンを諦めて26年、ジョンの死後15年の月日を経ての歌手デビューに"Those Were The Days" を選び、なおかつ4コーラスめ(ここでは懐かしい人との再会が描写されています)を歌わなかったシンシアさんの気持ちを想うとかなり感慨深く切ない音源ではあります。昨年 "John" というジョンとの思い出を綴った300ページ以上もある書籍を出版したシンシアさん。そろそろもう一曲歌ってくれないかな。"In My LIfe" とか。

 


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