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チャリティ盤@リレー・ヴォーカルの世界73 米国之実演、他 [リレー・ヴォーカル 多国籍&実演他]

『米国が攻撃されたのは、太平洋戦争開戦時の真珠湾攻撃以来』などとも言われた米国史上最悪の出来事に、米国のエンターティメント界もすばやく動きました。前述した4つのプロジェクト以外の動きをまとめておきます。リレー・ヴォーカルという視点では該当してないのばっかなんですが、あの時、ミュージシャンたちは何をしたか?という記録として。

まずは、事件の10日後、2001年9月21日に米国4大テレビ・ネットワーク(CBS, NBC, ABC, Fox)が、事件の犠牲になった方々、そのご家族らを支援するためのお金集めチャリティ・テレソン「America; A Tribute To Heroes(アメリカ:ア・トリビュート・トゥ・ヒーローズ)」という番組を制作~放映。「ヒーローズ」ってのは、この惨事の中、懸命に救助作業をつづけた警察官や消防の方々。これらの方々が救助作業中に犠牲になられたケースも多々ありました…。

番組はスタジオや遠隔地からの衛星放送で各ミュージシャンたちがコラボしたりしなかったりで、追悼の楽曲を披露しつつ、合間に著名映画スターやセレブたちが追悼とがんばろーメッセージを述べるという形式で、参加したメンバーは…

Bruce Springsteen, Stevie Wonder with Take 6, U2 with Dave Stewart, Natalie Imbruglia and Morleigh Steinberg, Faith Hill with gospel choir, Tom Petty and the Heartbreakers, Enrique Iglesias, Neil Young, Alicia Keys, Limp Bizkit's Fred Durst and Wes Borland plus the Goo Goo Dolls' John Rzeznik, Billy Joel, Dixie Chicks, Dave Matthews, Wyclef Jean, Mariah Carey, Bon Jovi, Sheryl Crow, Sting, Pearl Jam's Eddie Vedder and Mike McCready with Neil Young, Paul Simon, Céline Dion, Willie Nelson

Speakers
Tom Hanks, George Clooney, Will Smith, Muhammad Ali, Kelsey Grammer, Jim Carrey, Cameron Diaz, Robin Williams, Dennis Franz , Jimmy Smits, Calista Flockhart, Amy Brenneman, Conan O'Brien, Sarah Jessica Parker, Tom Cruise, Ray Romano, Lucy Liu, Sela Ward, Jane Kaczmarek, Julia Roberts, Chris Rock, Robert De Niro, Clint Eastwood

詳細は英文Wikiのここ。You Tubeで見れる、わたくしが好きなこの時の動画を貼っときます。

Wish You Were Here by Limp Bizkit's Fred Durst and Wes Borland plus the Goo Goo Dolls' John Rzeznik
90年代メジャーデビューの若者バンド、リンプとグー・グー・ドールズの主要メンバーのコラボ。曲はピンク・フロイドの名曲「あなたがここにいてほしい」。

Hero by Enrique Iglesias
2003年公開の映画「レジェンド・オブ・メキシコ/デスペラード(Once Upon A Time In Mexico)」でいい味出してたフリオ・イグレシアスのご子息エンリケさんのヒット曲。いや、わたくし的にこの曲好きなもんで(笑。

Imagine by Neil Young
第一次湾岸戦争の時につづいて、この時も『反戦歌』指定のため速攻で主要ラジオ局から放送自粛処理されていたこの楽曲をあえて演奏してしまうニール・ヤング師匠の漢っぷり!

9月25日には、オノ・ヨーコさんがニューヨーク・タイムズ紙に『Imagine all the people living life in peace』というジョンの「イマジン」の歌詞一節のみを引用した一面広告を掲載。画像はこれ 。ヨーコさんがよくやる手ではある…。70年代のベトナム戦争反対=ベッド・ピースの頃にもビルボードに「War Is Over」とかやってました。実際、この時もタイムズ・スクエアに「Give peace a chance」 のビルボードを掲示しました。いずれもメッセ以外の「John and Yoko」みたいなスポンサー名や写真など一切入れずな掲載で、当時ニュースを聞いた時、ヨーコさんにしては潔イイじゃんと好印象。当時の記事によると『「広告に名前を出さないほうがより効果的と感じたから」と匿名広告の理由を説明、「伝えたいメッセージはすべてこの広告の中にある」としている。』だそーです。

で、2001年10月2日には、ニューヨークのRadio City Hallにてヨーコさん主催のジョン・レノン楽曲によるトリビュート・コンサート「Come Together: A Night for John Lennon's Words and Music」が開催されます。当初は、銃規制強化を訴えるために企画されて、ジョンの誕生日の10月9日に録画放映されるはずだったのが、急遽、犠牲者のご家族への寄付金集めのイベントに切り替えられ、WB broadcast とTNT cable networksでの生中継となりました。出演アーティストは…

Kevin Spacey, Alanis Morissette, Dave Matthews, Lou Reed, Shelby Lynne, Moby, Stone Temple Pilots, Sean Ono Lennon, Nelly Furtado, Craig David, Cyndi lauper, Shaggy, Yolanda Adams, Billy Preston, Marc Anthony, Natalie Merchant, James Gandofini, Edie Falco, Dustin Hoffman, Ben Stiller, Steve Buscemi, Rufus Wainwright, Robert Schwartzman

この日「イマジン」を歌ったのは女性ゴスペル・シンガー、ヨランダ・アダムスさん with ビリー・プレストン氏。最後はもちろん「Give Peace a Chance」大合唱。この日の動画でYou Tubeで見れるのは…

Jealous Guy by Lou Reed
ジョン楽曲でわたくし的に3本の指に入る名曲。ルー・リードさんが歌うとちょっと怖い(笑。紹介役がこれまたわたくし大好きな個性派俳優スティーヴ・ブシェミ氏(「パルプ・フィクション」「デスペラード」「コン・エアー」「アルマゲドン」「モンスターズ・インク」のランドールなどなど)ってのがシブい!Wikiによるとこの人、『売れる前は、昼間は消防士として働き、夜はスタンダップ・コメディの舞台に立っていて、現在でもボランティアで消防士としての活動を続けていて、911テロの際、世界貿易センタービル(ツインタワー)の瓦礫の山の中、昔着ていた消防士の防火服を着て、救出作業する彼の姿が目撃されていて(なぜ昔の防火服を着てる男がいるのか、他の消防士が疑問に思い、ヘルメットの中の顔を覗くとスティーヴ・ブシェミだったそうである)』だそーな。かっこいいぞ。

Strawberry Fields Forever by Cyndi Lauper
シンディ・ローパー嬢によるSFF。これはセントラル・パークにある「イマジンの碑」からの中継?これのマウスパッド持ってる(笑。背後にたたずむのは被災を逃れた在紐育の幸運なビーヲタな方々?

This Boy by Sean Lennon, Rufus Wainwright, Robert Schwart
ショーン君と、2001年の米ドリームワークス作のアニメ映画「シュレック」で、印象的な場面に流れてたレナード・コーエン作の名曲「Hallelujah」を挿入曲としてカヴァーして歌っていた90年代デビューの人気SSW、ルーファス・ウエィンライト君と、1999年ソフィア・コッポラの初監督作品「ヴァージン・スーサイズ」にも出演しているシンガー&俳優のロバート・シュワルツマン君、によるハーモニー。うーむ…そんなにみんなで真剣に歌われても(笑。

そして、2001年10月20日。我らがポール・マッカートニー卿の呼びかけでマジソン・スクエア・ガーデンにて「The Concert For New York City」が開催されました。復旧に尽力しているニューヨーク市内の何千人もの消防署、警察、救助隊員とその家族が招待され、夜8時から約5時間、英国勢を含む多数のビッグ・ネームが集結し演奏やスピーチを披露。その模様は米国のケーブル・テレビ局VH1とラジオ各局で全米中に生放送され、インターネットではA.O.Lが配信しました。収益は「Twin Towers Fund(世界貿易センター基金)」に寄付。詳細は英文Wikiのここ 。オフィシャルサイトはここ 。主な参加メンバーは…

Paul McCartney, Mick Jagger with Keith Richards, The Who, David Bowie, Elton John, Eric Clapton, Bon Jovi, Jay-Z, Destiny's Child, Macy Gray, Marc Anthony, The Backstreet Boys, India.Arie, James Taylor, Billy Joel, Melissa Etheridge, Five for Fighting, Goo Goo Dolls, John Mellencamp with Kid Rock

Speakers
Jim Carrey, John Cusack, Michael J. Fox, Denis Leary, Meg Ryan, Rudy Giuliani, Joe Torre, Susan Sarandon, Richard Gere, David Spade, Julia Stiles, Hillary Rodham Clinton, Bill Clinton

Films
Woody Allen, Martin Scorsese, Spike Lee

ポール・マッカートニー卿は、こう語っています。『惨劇が起きた日、僕はニューヨークにいた。世界貿易センターのツイン・タワーが崩壊する瞬間を目撃した。Heatherと僕は空港の飛行機の中で座席に着いて、離陸を待っていた。突然、すべての航空機が離陸を見合わせていると機長からアナウンスがあった。僕たちが乗っていた飛行機から、煙と炎に包まれたタワーが見えた。信じられない光景だったよ』。動画をYou Tubeから…

America by David Bowie
サイモンとガーファンクルの名曲「アメリカ」を歌うデヴィッド・ボウイ氏。このコンサートのDVD見た時、これ聞いてまじ涙こぼれてしまった…

Your Song by Elton John & Billy Joel
この二人で日本に来たときも観に行ったなあ…。ピアノ系SSW英米の雄、連弾語り。

Salt of the Earth by Mick Jagger & Keith Richards
これもDVD見た時、涙あふれてしまった…。このイベントにこの曲を持ってくる。空気読めてるグリマー・トゥインズ。1968年のストーンズの傑作アルバム「ベガーズ・バンケット」結びの曲「地の塩」…。"Let's drink to the hard-working people!"

Freedom / Let It Be by Paul McCartney
Freedom (Extended) by Paul McCartney
そして、サー・ポールがこの日のために書いてきたこの曲。正直最初聞いたときは、あまりに直球ど真ん中の歌詞がちょっと…って気がしたのも事実。ある意味ジョンっぽいと言えばそうですな。ポールはこの時期、新作アルバム「Driving Rain」をリリースした直後で、最初のシングル「From A Lover To A Friend」をニューヨークの消防士と警官の家族救助基金への印税寄付チャリティ・シングルとしてリリースしています。で、このコンサート後には新たに録音した、この「Freedom」のスタジオ・ヴァージョンを英米にて同主旨でシングル・リリースしました(日本盤は、シングルとしては出てませんが、アルバム「ドライヴィング・レイン」のボートラとして初版から収録されてます)。画像左は米盤CDシングル。右は日本盤「フロム・ア・ラヴァー・トゥ・ア・フレンド」CDシングル。

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ポールの楽曲「フリーダム」に対する想いは、paul28ifさんという方のブログのここにある2005年のインタビュー翻訳記事で読めます。

で、翌10月21日、ビートルズ楽曲の版権さらわれ問題以来、関係がこじれているポールから誘われるはずもない(笑)マイケル・ジャクソン氏主催の前回ご紹介した「United We Stand: What More Can I Give?」が開催されます。デスチャとバックストリート・ボーイズは連チャンなんだね。

当時、英米他のミュージシャンたちがどういった発言をしたか…という観点ですとこのページが日本語でわかりやすくまとめてあります。
ついでに、当時の日本人ミュージシャンのアクションも少し。

日本で事件の第一報が報道されたのは日本時間で9月11日の夜10時のニュースだったそうですが、あいにくわたくし家でもテレビほとんど見ないので、まったく知りませんでした。翌12日朝に何度も繰り返される飛行機が突っ込む映像を見た時から、テレビとネットつなぎっぱ状態に突入。

日本人ミュージシャンで最初に具体的な行動をおこしたのは、たぶん佐野元春氏。当日の夜に作って翌日レコーディングしたという「光 - The Light」という楽曲を自身のホームページで9月18日から25日まで一週間、無料ダウンロード配布しました。曰く…「爆発の夜 僕は歌を書いた 売り物用ではない歌を 僕と僕の友人のための歌を」。わたくしも即落として何度も聴いたもんでした。彼の1984年のアルバム「Visitors」に収録されていて、同年の「ライヴ・エイド」の際にも世界へ配信された「Shame シェイム(君を汚したのは誰) 」タイプのジョン・レノン・テイストが色濃い作品でした。2005年に、当時のデモ・ヴァージョンから本人プロデュース最終ヴァージョンにグレードアップして150円で販売しています。『「光」の販売収益は、佐野元春による個人的な社会貢献活動を支援する非営利組織「Naked Eyes Foundation」[NEF] を通じて、アフガンやイラクの戦争で傷ついた子供たちのために寄付されます』だそーです。かっこいいぞ。

あと、12月にはエイベックスで、小室哲哉氏が呼びかけ人となり、所属アーティストのコラボでチャリティ・シングルを連発リリースしました。小室哲哉プロデュース「song+nation」=浜崎あゆみ&KEIKO (globe) 「a song is born」 、安室奈美恵&VERBAL(m-flo) 「lovin'it」、 KODA KUMI&BoA 「the meaning of peace」、アルバム「Various Artists featuring Songnation」:TRF、hitomi、move(現M.O.V.E)など(2002年) 。『売り上げの一部が国連に寄付されるという。』って記事がありました。ま、これはわたくし的に華麗にスルーします(笑。

なんか今回、とりとめもなく長くなっちゃったんで(汗、911関連、これにて終了させていただきます。

最後に、ここ数日間、アジアの一角で理不尽な暴力によりまたもや『フリーダム』が踏みにじられているようです。とりあえず声だけでもあげとかないと…

FlagofTibet.jpg


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