Gimmie the Key c/w Honky Tonk(Part1&2) by BOBBY KEYS


リング・オー・レコーズ・リリース第二弾は、1975年8月25日全米先行リリース、Bobby Keys(ボビー・キーズ)氏のこの楽曲のシングル盤です。アメリカでの配給元はキャピトル・レコーズで、専用の黒いスリーブに入っていました。


ロック系のサックス奏者として名を馳せたこの人に関しては、当時の洋楽好きな方々には説明不要と思います。ストーンズ(The Rolling Stones)の「ブラウン・シュガー(Brown Suger)」やジョンの「真夜中を突っ走れ(Whatever Gets You Thru The Night)」のサックス・ソロでもおなじみの名サックス・プレイヤー、ビートル関係ではジョン、ジョージ、リンゴのいくつかのアルバムでもプレイしている売れっ子セッションマンでした。知らない、という方はWikiで検索どうぞ。



プロデュースは、同じサックス仲間で当時ボビーさんとセットで様々なセッションに呼ばれ、ストーンズのツアーも一緒に巡っていたトレヴァー・ローレンス(Trevor Lawrence)氏。

この音源は現在までオフィシャルでのCD化、デジタル音源化はされていないと思いますが、YouTubeでアーティスト名と楽曲名で検索すればA/B面とも容易にヒットするはずです。




一聴したとき感じたのは、このサウンド、なんか知ってる…という既視感(既聴感?)でした。よくよく考えて、これだ、と思ったのは、このリリースより少し前、前年からヒットし始めて全米ナンバー1ヒットとなったアヴェレイジ・ホワイト・バンド(Average White Band=AWB)の「ピック・アップ・ザ・ピーセズ」(Pick Up the Pieces)。当時ラジオや街中の有線で、おしゃれなインスト曲として、頻繁にかかっていたのを思い出しました。




レコーディングメンバーに関しての情報は何もみつけられていないのですが、サウンドはギターもベースもいかにもなジャズ≒フュージョン(当時はクロスオーバーって呼ばれていたっけか)畑ミュージシャン的タイトな演奏で、リンゴ人脈ではない(録音には関わっていない)な、と思わされます。

なので、この当時のボビー氏参加作品を漁っていたところ、ジョー・コッカー(Joe Cocker)氏の75年4月発売のアルバム「ジャマイカ・セイ・ユー・ウィル(Jamaica Say You Will)」に収録の「It's All Over But the Shoutin'」という楽曲にボビーさんとトレヴァーさんが参加、他のメンバーにギター=コーネル・デュプリー(Cornell Dupree)氏、ベース=チャック・レイニー(Chuck Rainey)氏、ドラム=バーナード・パーディ(Bernard Purdie)氏という、いかにもなメンツをみつけて、この辺の方々の参加かな、と妄想しております。


愉しげにリラックスしつつもタイトな演奏なカップリングの「Honky Tonk (Part 1 & 2)」は、1956年発表なスリーコードブルースのスタンダード曲。あのソウルブラザーNo,1ジェームス・ブラウン(James Brown)氏も1972年にシングル盤リリースしています。




こちらはGIMMIE THE KEYのロングバージョン(レギュラー盤は2分34秒、ロングバージョンは4分06秒)を収録したプロモーション盤(SPRO-8193)。A/B面とも同じヴァージョンをステレオで収録。


サックスソロ後の2分過ぎくらいまではずっと同じで、レギュラー盤はそこからド頭のリフに戻ってそのままフェードアウトで終わりますが、ロングヴァージョンは、ソロ後にBメロをもう一度挟んでからひと通りくり返す感じです。おそらくこちらがオリジナル録音でレギュラー盤が編集でしょう。

レーベル面に大きく「DISCO」と書かれていることからもわかるように、当時のディスコ・クラブにプロモ盤を配ってのヒット狙いアイテムだったのでしょう。





アメリカでのリリースから10日くらい遅れて1975年9月発売となった英国盤。

この他に各々別デザインのピクチャースリーブが付いたフランス盤、ドイツ盤(この頃はまだ西ドイツ)ベルギー盤がリリースされたようで、下画像は英国盤と同番号、同カップリングのフランス盤。

リリース元はフランスのポリドールでポケットタイプのスリーブが付いています。






なお、ボビー・キーズ氏は、2014年12月2日米国テネシー州で、病気のため70歳で亡くなっています。Rest in Peace.